喫茶店オープンから2年が経ちました!

いつもお世話になっております。店主の岡山紘明(ひろあき)です。

2020年11月、どい書店の喫茶店がオープンしました。みなさまの支えのおかげもあり2周年を迎えることができました。まだまだな部分もあるのですが、丸2年を1つの区切りとして喫茶店のこれまでと現状を知ってもらい、これからの展開についてお話できたらと思います。

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2022年8月の店主の岡山(撮影:水本誠時)

まずはじめに

どい書店は「do it 書店→なんでもやる本屋」です。挑戦する本屋であり、なんでもありな本屋です。なにかしてみたい、挑戦したい人の希望になれるような存在でありたい。なるべく手の届く範囲での努力と資金力で最大限の効果を発揮する工夫を3年半してきました。

そんな日常から、ちょっと背伸びした「どい書店」の取り組みを喫茶店を中心にご紹介できたらと思います。

喫茶店のこれまで

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オープン翌日のお客さまとの写真

2020年11月、当初のメニューはハヤシライスとミートスパゲティをランチ、コーヒー、紅茶、オレンジジュースを主としてスタートしました。オープンに合わせてクラウドファンディングを行い、81万4,000円の開業資金から、スタートすることができました。

田舎町にたった1つの喫茶店を作りたい!クラウドファンディング 開始! – どい書店 do it shoten 愛媛 田舎 古民家doitshoten.com

当初の運営メンバーは小田に移住した若者24-26歳。飲食経験者は、ほぼゼロ。先行きが危ぶまれるスタートでした。

あれから2年、喫茶店はメニューの開発・変更、客席のレイアウト変更や営業時間の変更などたくさんの変化を経験しながら目まぐるしく、にぎやかに運営してまいりました。語れば語るほど長くなるのですが、「ランチメニュー」「ドリンク・お菓子メニュー」「自然食品」「そうざい業・キッチンカー」「小田のお米を売り出す」に絞ってお伝えできたらと思います。

ランチは洋食から小田らしい料理へ

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2022年11月、2周年を記念した小田の郷土料理ランチ

より一つのメニューに集中したい思いから2022年の2月までランチをハヤシライスに絞って営業しました。2022年2月からは地元・小田の料理を提供したい気持ちから「小田のおにぎりランチ」に変更しました。この度、2周年を記念して郷土料理ランチに移行する予定です。

[小田の料理にこだわる理由 ]

小田の食材や調理方法に取り組む理由はいくつかあります。

まず地元の方とのコミュニケーション面です。「喫茶どい書店」の運営は移住者がメインです。小田のお野菜や卵、果物を使うことで、小田の農家の皆さんとお話する機会や、道の駅に通う頻度を増え、地元の人と交流する貴重な機会となっています。

そして地域で採れた野菜はとても美味しいです。小田川の源流域に位置する小田地区は水がとても綺麗。寒暖差が激しく、野菜を育てるには好立地です。これを使わない手はありません。

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小田の農地は美しい水に恵まれており棚田が広がっている

どんな美味しい料理があるのかを考えていると、郷土料理にたどり着きました。地元のお母さんたちが大切に受け継いできた味はきっと美味しいのです。小田の採れたては小田でしか味わえない。美味しさの追求をすると小田や小田らへんのお野菜を使い、地元な料理を作ろうということになりました。

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お母さんたちが地元の味の再現に挑戦するところにお邪魔しました。

また意外なことに、「地元ならではの料理」を食べられるところが愛媛県内でも少ないのです。地元のつくりかたで地元のものを食べられる機会は減り続けています。伝統産業のように地元ならではのつくりかたを極めていくことで希少価値が高まり、数年後、数十年後に「愛媛の田舎の味を食べたくなったら小田に行け」と言われるようになれたらと思っています。

農家さんとのコミュニケーション、野菜が美味しい立地、希少価値といった点に加えて、お店の目標である「おばあちゃんちよりもおばあちゃんち」にも合っているのかなと思っています。

ご縁を大切にしたドリンク・お菓子メニュー

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夏の人気メニュー「しそジュース」。小田のおばちゃんたちが育てた赤シソを煮詰めました!

またイチゴやレモン、梅、シソなど旬の果実や食べ物を使い、ドリンクの開発を行ってきました。これらの産品は決して小田町産にこだわったものだけではありません。レモン(奥谷農園さん)オレンジジュース(nino farmさん)、いろんなドリンクに使用しているハチミツ(みつばち屋嵐さん)は宇和島のものを使っています。また、コーヒーは愛媛県内のカトラッチャ珈琲焙煎所に焙煎をお願いしています。紅茶は内子の論田のにのらく茶園さんのものを使用。緑茶は小田の武井茶園さん、いちごは小田の農家さんから仕入れています。

小田にこだわらず、感動した食材を中心にご縁があった人と食べものを提供できたらと考えています。集まってきた食材の中から小田のおいちゃんや子どもたちが飲みやすい食べやすい味を追い求めています。

自然食品の販売と生ごみを畑へ!

2020年度、ご近所さんの間で小さなベビーブームが起こりました。知り合いだけで、5人の赤ちゃんが生まれたのです。小田の貴重な子宝にどい書店ができることはないか。どい書店の喫茶店で扱っているメニューはなるべく安心安全な食材を選んでいます。古民家で田舎なお店として2021年5月より自然食品の卸業者さんと繋がり、店頭での販売を開始しました。

また、喫茶店で出た生ごみは裏の畑に入れています。畑では農薬も肥料も使わずに玉ねぎ、さつまも、ネギなどの野菜を育てています。

今後もさまざまな作物を育てていく予定です。また毎週日曜日に「小田っぽいことしよう!」ということで、体験農園としての運営も少しずつスタートしています。

お米を親子体験のイベントにして作っています。

小田のお米を知ってもらう!

道の駅を中心に「小さな田んぼ」という名前でお米の販売を始めています。小田のお米は棚田米で水がとてもきれいな地域であることからとても美味しいです。小田のみなさんや外の地域の皆さんに小田のお米が美味しいことを知ってもらい、少しでも小田の田んぼの維持につなげられたらと考えています。

出張!どい書店!なシェアキッチンカー

また、人手があるときには、キッチンカーを使って、「出張!どい書店!」を行います。地域外のさまざまな人に知ってもらったり、収益を安定させるための方策です。キッチンカーは地元の高校生と2年前に作ったものをシェアして使っています。

喫茶以外のどい書店

実は喫茶店以外でもいろんなことにチャレンジしているどい書店。小田の土地で楽しく暮らす取り組みを一挙にご紹介です!

そもそもどい書店って?!

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どい書店をはじめたての3人。

2019年から始まったどい書店関連の取り組みを簡単に時系列で並べてみました。

2019年3月どい書店はシェアハウス&シェアオフィスとしてオープン。当初はゲストハウスを目標に整備をしていましたが、諸事情により飲食店へと舵を切り直しました。夏頃から「おばあちゃんちよりもおばあちゃんち」というコンセプトで続ける。
2019年8月海外ボランティアの受け入れスタート。およそ半年で200通の応募。10組を受け入れる。

2020年5月ごろ喫茶店営業にあたりシェアオフィス業を閉鎖。代わりに利用者であった水本と烏谷が主となり、シェアオフィス「コバンク」をオープン。
2020年11月より喫茶店をオープンしました。
2020年12月には地元の高校生と一緒にキッチンカー(おだマルシェ-動く道の駅-)が完成。
2021年3月どい書店のシェアハウス業務も2020年夏ごろには閉鎖していましたが、「シェアハウスおだいま」に入居が開始。

2021年5月に自然食品の販売を開始。
2021年11月から近隣のお屋敷「小田・二宮邸」の一棟貸しの宿泊業がスタート。
2021年11月小田のお米を知ってもらう「小さな田んぼプロジェクト」始動。
2022年2月 小田の料理「小田のおにぎりランチ」スタート。

2019年終わりから、小田に住んでみたいという希望をもらうようになり、空き家を借りる交渉や希望者の受け入れも随時、行っています。店主の岡山が地域おこし協力隊をしていたこともあり、そのような流れになっています。

また始めに運営を始めた水本誠時が写真家、烏谷恒希が映像作家ということもあり、それぞれの職能を生かし、ビジュアルでこれらの活動を撮影し、情報発信をしています。

一つ一つを書くととても長くなるので、それぞれリンクで飛べるようになっています。ぜひ拝見ください。

お店のコンセプト

「おばあちゃんちよりもおばあちゃんち」

今、子どもたちの夏休みにおばあちゃんちに行っても畑作業や田んぼの作業ができない家が増えています。トマトの丸齧りも縁側で目隠ししてスイカ割りをする機会も少なくなっています。おばあちゃんちのおもてなしは焼肉とお寿司とケーキという家庭も少なくありません。ジブリの世界にいるようなおばあちゃんちは急速に減っています。

「田舎のおばあちゃんは絶滅危惧種?!」

https://note.com/okyayama/n/n2788545380d8

来た時に懐かしく感じたり、なんだか寝転びたくなったり、おばあちゃん血のように優しい雰囲気の場所をつくれたらなと思います。

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ばあちゃんちな体験もできたらと思っています。

どい書店の今後の展開(2022.11.01現在)

結局のところ、どい書店はなんでもアリです。日々の疑問や世の中への問いに挑戦するお店です。「こんなお店があってもいいのか」と存在していることに価値があるようなこれからの店舗のありかた、暮らしのありかたの可能性を探るお店です。お世話になっているみなさんにたくさん愛情を注いでもらいながら、運営者側がしっかりと学び、成長させていく「おもてなしの場」です。

絶対に忘れたくないのは小田の町への感謝です。受け入れてもらった小田の地を自分が来たときよりも優しく受け入れてくれる町にしていくことが恩返しだと思っています。この町の良さが続く努力を真剣にしていきます。

これからの世の中の風向きを見ながら、小田という地域で豊かに暮らすための手立てを話して、実行する場として進んでいきたいと思います。

おばあちゃんちの提供

一緒にお料理を作ったり、畑で作業したり、川遊びをしたり。体験をした後に、喫茶店で少し休憩、といった流れを作れたらと考えています。毎週日曜日、小田に来たらおばあちゃんちぽいことができるような場所にしていけたらと思います。日曜日は小田曜日!おだ日和です!

ギャラリーの開始

2022年11月、2周年記念として、2階スペースをギャラリーにする方向で進めています。自由に使える古民家の展示の場です。11月3日より、ささやかなこけら落としとして「岡山紘明 展」を開催します。岡山自身のやりたいことをまとめた展示にしています(年末まで開催)。年明けもどい書店にゆかりのある方々の展示が続々と決まっております。どい書店にお越しの際はぜひ2階にもお立ち寄りください。

ギフトの充実

通信販売を細々とやってきましたが、今後は、より使いやすい通信販売を心がけます。特にお米の販売なども郵送で遠方にも送れたらと考えております。現在、郵送もできるギフトボックスなどを考えております。また出来上がり次第、ご連絡します。

営業について

オープン当初、土日営業で続けていました。2021年5月1日より、金土日の営業に切り替えました。その後、いつでも開いているお店を目指して木曜日も加えた営業にしました。しかし客足が伸び悩み、逆に祝日に来られた方が開いていない状況になっていたことから、2022年9月から集客が見込める金土日祝に絞ることにしました。

今後の目標として、どい書店の「のれんがかかっている時間」を長くできたらと思っています。営業日以外の日に店の扉を開けて明かりをつけて作業をしていると、ちょこちょこと人が訪ねてくれます。地元の人や遠くからの客さまが来てくれます。そのようなふらっとした出会いも大切にできたらと考えております。

喫茶営業の時間とボランティアスタッフで開けておく時間帯を分けたり工夫しながら店を開けられたらと考えています。

建物について

SNSで見てから来た人は「思ったより大きいね」と言われることも

どい書店はおよそ100坪の大きな古民家です。そして3年後の2025年の5月に100周年を迎えます。100周年を迎えるにあたり、2125年の5月にもこの建物は立っているのかというのがとても不安です。

職人や原料の減少などにより、和風の建物の維持が年々、難しくなっています。これまでの100年を住み継いでくれたみなさんに感謝するとともに、次の100年は自分達次第で変わるのかなと思っています。もちろん、100年後はおそらく死んでいるのですが、なるべく残す努力を自分を中心にみなさんでできたらと思います。

詳しくは11月中に2年の建物の維持に関わるクラウドファンディングを告知予定です。ぜひそちらもご一読ください。

関係者向けの100周年クラウドファンディングプレリリース

最後に

100周年の記念にむけた「いまのどい書店でできること」を詰め込んだイラスト

皆様のおかげで2年間、営業することができました。最初は出てくるコーヒーが冷たいと言われたところから成長できているのかなと思います。これからも社会の変化は目まぐるしく起こります。

たくましく乗り越えられたらなと思います。そして優しくて和むおばあちゃん家のような場づくりができたらと思います。

店主・おかやま

掲載メディア一覧

●若者たちが集う新しい「田舎」づくり|2022年8月 四国電力グループ

https://www.yonden.co.jp/cnt_landl/2208/jumping_furusato.html

●まとめえひめ|2022年7月 愛媛県観光物産協会

●廃校危機の母校救うため 高校生が願いを込めたキッチンカーで地元をPR【愛媛発】|2021年3月 nippon.com

https://www.nippon.com/ja/news/fnn20210307150846/

●「地方への人の流れの創出 」に向けた効果的移住定住推進施策事例集 p57(p55)|2021年3月 総務省

https://www.soumu.go.jp/main_content/000742996.pdf

●「これも空き家の生きる道」広報うちこ|2020年10月 ,内子町

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/assets.ikouhoushi.jp/attachment/magazine_issue_file/files/80017/published_80017.pdf

喫茶店について

どい書店は2020年11月から喫茶店を営業しております。
簡単にではありますがメニューや楽しみかたをご紹介したいと思います

メニュー

ハヤシライス 800

ミートスパゲティ 800

コーヒー 400

紅茶 400

小田のお菓子セット 300

シフォンケーキ 350

近日、レモンスカッシュのメニュー追加もご予定しております。

営業時間 11:00-16:00
4月中は日曜日が営業日です。
5月以降は金曜、土曜、日曜に営業予定です。

OUR DOOR IS ALWAYS OPEN

どい書店とは?

どい書店はクリエイティブな人たちが集まる田舎古民家ハウスです。
喫茶店、イベントやワーキングスペース、物販などが楽しめます。

2019年3月に地元の休憩スペースとしてオープンして、
間もなく、シェアオフィス&シェアハウスとなりました。

若者が楽しく暮らせる田舎を目指して、
地元のかたと協力しています。

どい書店のコンセプト

四国の山あいに
およそ100年間たたずむ古民家「どい書店」。

ここをアイデアとワクワクが集まる
「好奇心の拠点」にしていきます。
地元のおばちゃん、子連れの親子、
都会の若者などいろんな人の
お茶目でときめくアイデアを持ち寄り、
実行していきます。

みんなの好奇心で日常を面白くする、
それがどい書店です。